フードテックの事例

FOODTECH CASE STUDY

ミシュラン星7年連続の本格日本料理人が挑戦する「培養肉」

ダイバースファーム株式会社
  • バイオテクノロジ
  • 小売・レストラン テクノロジー
  • 新たな食品

 ダイバースファーム㈱は7年間連続でミシュラン星を獲得した本格日本料理店「雲鶴」(大阪市北区、オーナー料理長:島村雅晴)と再生医療ベンチャー企業「ティシューバーネット㈱」(東京都北区、社長:大野次郎)が共同で設立しました。「培養肉で地球と暮らしを守る」をミッションに、再生医療の技術を活用し、本格的な培養肉開発を進めています。
 人口増加などを背景に、世界的に食料、特に食肉の供給難が予想されており、発展途上国のみならず、先進国においても近い将来直面する問題となっています。「雲鶴」のような本格日本料理店にとっては料理人の目利きに適う食材は生命線ですが、この世界的問題に伴って食料供給が不安定になることも同様に予測されます。そこで弊社ではその問題に立ち向かうべく、再生医療技術を基盤とした本格培養肉開発を推進しております。
 弊社が開発する手法は細胞だけを融合させて、大型の細胞ブロックを作製する技術です。これは元々人工臓器作製のために開発された技術で、ヒト由来細胞のみならず、他の動物由来の細胞にも有効であり、トリの細胞を使えばトリ肉になり、ウシの細胞をつかえば牛肉となる画期的なアプローチです。この技術を用いると、料理人の要望にあった肉質、脂肪量、更にアミノ酸などの組成割合のコントロールができるようになります。また、完全無菌状態で培養するため、長期間保存の実現や食中毒予防、および、疫病による汚染などの影響もありません。
 更に弊社は、遺伝子操作や幹細胞など安全性未確立の技術は使わず、食料として認められている材料のみから培養肉を作製することを目指しています。原料となる細胞は定期的に必要となるため、既存の畜産業の方々から継続的にご提供いただく必要があります。よって畜産業に+アルファとなる事業モデルを目指しています。

事例を見る

食のパーソナライゼーションを実現するアレルギー対応システム

株式会社CAN EAT
  • ソフトウェア
  • 小売・レストラン テクノロジー

◆背景◆
食物アレルギー、ベジタリアン・ヴィーガン、宗教上の理由、健康上の理由、妊娠・授乳中など、食事制限があって外食を楽しむことができない人は世界人口の3分の1存在すると言われています。今までは「好き嫌いせずにすべてのものを食べなさい」とされていた食育にも変化が表れています。そんな中、東京オリンピック・パラリンピックや、大阪万博の開催により「食の多様化」への需要が顕現し、すべての人が平等に食を楽しむことができるインフラが求められています。

◆私たちの取り組み◆
外食業態で働くどんな人でも、アレルギー対応を安心安全に実施するためのITツールを開発・運用しています。
①アレルギーヒアリングシステム
 主に婚礼、宿泊、宴会などの業態で、アレルギーがある方の情報を正確に取りまとめて共有するためのサービスです。
 小麦アレルギーは「醤油はNGか」「味噌はOKか」など、アレルギー対応調理に必要な細かいヒアリングを実施することができます。

②アレルギー表作成代行サービス
 ビュッフェ、修学旅行、レストラン営業などの場で、アレルギー表示をする際に活用できるサービスです。
 スマートフォンで原材料ラベルを撮影するだけで簡単にアレルギー表を作成することができます。
 お客様にアレルギーがある方がいらっしゃった際には、アレルギー表をお見せするだけでオペレーションが可能です。

③AI味覚分析
 登録された食事嗜好に基づいて、他にどんな食べ物が好きか、苦手な可能性があるか等を可視化する研究・開発を実施しています。

◆実績について◆
サービス開始半年で約1300人のお食事制限を事故なく対応しています。

事例を見る

発芽技術で生まれた全く新しい植物肉「ミラクルミート」

DAIZ株式会社
  • バイオテクノロジ
  • 新たな食品

フードテックベンチャーのDAIZ株式会社は、「植物肉」をはじめとしたプラントベースフードの普及を推進し、地球温暖化とタンパク質危機の解決に寄与することを目指しています。

DAIZ株式会社は、熊本に本社・研究所・工場を構え、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップです。

DAIZが開発・製造する植物肉「ミラクルミート」は、従来の植物肉と比べて、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)などの課題を独自の技術と製法により解決した、美味しい植物性食品です。

これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しました。

この「ミラクルミート」の最大の特徴は、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させている点です。

落合式ハイプレッシャー法とは、大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。発芽させた大豆をエクストルーダー(押出成形機)にかけ、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出す膨化成形技術により、肉のような弾力と食感を再現しています。

「ミラクルミート」は、旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして完成します。さらに、発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を図っており、鶏肉や豚肉と同等の価格を実現しました。

このようにして作られた「ミラクルミート」は、主に食品メーカー、小売流通や外食関連企業へ納入され、さまざまな大豆ミート商品となり一般消費者へと販売・提供されています。

食品スーパーマーケット大手のライフコーポレーションでは「ミラクルミート」を使用したプライベートブランド商品として「発芽豆からつくったおにく」シリーズを2021年4月に発売開始しました。「発芽豆からつくったおにく」シリーズは、春巻き・餃子・メンチカツなどがチルド食品・冷凍食品として複数アイテム展開しています。

ライフは「昨今注目を集めている大豆ミートで“おいしく” “栄養のある”植物肉の商品をご提供したいと考えました。また、植物肉は持続可能な資源であり、SDGsの観点からも環境へ配慮した商品で貢献したいという思いから開発いたしました。」とコメントしています。

また同社は「ミラクルミート」を採用した理由として「大豆ミート商品を開発するにあたり課題となったのが、大豆特有の臭み。臭みを抑え、おいしいと感じていただける商品を作りたいと思い見つけたのがミラクルミートです。大豆の栄養を豊富に含んだおいしい大豆ミートを目指して、開発を始めました。」と開発の背景を語っています。

他にも「ミラクルミート」はさまざまな形でメニュー化されています。きちりホールディングスが運営する飲食店「いしがまやハンバーグ」は、「ミラクルミート」を採用したハンバーグを2020年10月に提供開始しました。「いしがまやハンバーグ」では、植物肉100%のハンバーグと、欧米では主流になりつつある植物肉と畜産牛を混ぜたハーフ&ハーフのハンバーグの2種がメニューに並んでいます。

DAIZのフィールドは日本国内に留まりません。DAIZは2021年5月にアメリカ・ボストンに子会社「DAIZ USA」を設立しました。DAIZ USAは、北米における戦略的拠点として機能することを目指し、米国における市場調査や顧客開拓、植物肉原料の研究開発や生産拠点開設に向けた活動を開始しました。DAIZは、独自技術を強みにグローバルにおいても更なる事業拡大を図り、新しい食文化を世界に発信していきます。

このように各方面で注目を浴びる植物肉は、これから益々、一般消費者の認知・普及が本格化するでしょう。植物肉普及のカギは、美味しさと一般消費者も購入しやすい価格の追求とも言えます。DAIZは研究開発を重ねることで、美味しさと価格を追求すると同時に、植物肉に限らない、プラントベースフードの開発も進めています。直近では、発芽大豆から作られたツナ・卵・ミルクなど、さまざまなプラントベースフードを開発しました。DAIZは、これらの植物性食品の開発・製造を通じて、サステナブルな社会の実現・タンパク質危機の解消・SDGsの達成などに寄与することを目指してまいります。

事例を見る

食用コオロギパウダーを使用したパン・菓子開発の取り組み

敷島製パン株式会社
  • 新たな食品

Pascoは1920年(大正9年)の創業以来、本業を通じて社会に貢献することを理念とし、未来の食糧不安に備え、持続的な食糧の安定供給を目指しSDGsの貢献に向けた取り組みも進めています。この取り組みの一環として、栄養価が高く地球にも優しい昆虫食に着目し、高崎経済大学発ベンチャー企業であるFUTURENAUT株式会社の食用コオロギパウダーを使用した製品を研究・開発しました。Pasco未来食Labo「Korogi Cafe」シリーズとして、2020年12月に「コオロギのバゲット」と「コオロギのフィナンシェ」をオンラインショップにて数量限定で発売、その後も「コオロギのバウムクーヘン」等の新製品を追加し、毎月1回発売をしています。また、2021年7月、食用コオロギパウダーを使用したパンづくりを楽しみながら、昆虫食が注目される理由等、未来の食について学んでいただける「コオロギの食育パンキット」を発売しました。

昆虫はタンパク質が豊富で、牛などに比べて飼育に必要なエサや排出する温室効果ガスが少ないとされ、地球にやさしい食材として注目されています。中でも、コオロギは育てやすく味も良いことから人気が高まっています。Pascoでは、2017年11月にフィンランドのメーカーがコオロギ粉末入りのパンを発売したとの情報を得て、専務の盛田兼由の指示のもと、昆虫食の調査・研究を開始しました。その後、様々なコオロギパウダーを取り寄せて試作を繰り返しましたが、コオロギは、品種や与える餌によって味が違い、また製法によっては口の中にざらざらした食感が残るなど、その選定には苦労しました。「Korogi Cafe」シリーズでは、タイの食品製造管理基準の認証を受けた衛生的な食用コオロギ養殖場で養殖された「ヨーロッパイエコオロギ」を使用しています。他の品種と比べるとクセの少ないさっぱりした味が特徴で、雑穀や炒ったナッツのような香りがし、パンやお菓子に使うと、味に深みが出ます。

近年注目が高まっている昆虫食ですが、その見た目に抵抗感を感じる方も多いです。「Korogi Cafe」シリーズは、見た目から来る抵抗感を抑えるためにコオロギのパウダーを使用し、初めての方でも食べやすい製品となっています。また、コオロギにはえびやかになどの甲殻類と類似した成分が含まれるため、アレルギーにも注意が必要なことから、通常の生産ラインではなく、専用の施設で製造しています。

昆虫食の普及に向けては、抵抗感の払拭等いくつか課題もありますが、昆虫食の取り組みが、未来の食や環境問題等について考える良いきっかけになればと考えています。
Pascoはこれからも安全で美味しい製品の提供に努めて参ります。

事例を見る

未来の食を支える3Dフードテクノロジー

ミツイワ株式会社・武蔵エンジニアリング株式会社
  • キッチンテック
  • ロボティクス
  • 新たな食品

【未来の食を支える3Dフードテクノロジー】
一般の「ものづくり」の世界では、徐々に浸透しつつある加工方法である「3Dプリンター」。その材料を食品にして、「食べられる造形物を作ってしまおう」とするのがここでご紹介する「3Dフードプリンター」になります。大抵の皆様は、3Dプリンターもましてや3Dフードプリンターも、あまりピンとこないのではないでしょうか?簡単にご紹介すると、良くリゾート地や遊園地でみられるソフトクリーム製造機、上からソフトクリームが落ちてきて、コーンやカップにギュニュグニュと渦巻き状の形が作られていく機械、あるいは、「マヨネーズ」や「ケチャップ」を逆さにしてグニュグニュと打ち出す時、文字や絵を書いたりできますよね。原理原則はこのようなモノになります。そして、その造形制御や打出す対象物をキチンとデータで管理して食べられるモノを作りだす事が、3Dフードプリンターになります。詳しい技術の解説は、別の機会にするとして、いつ、どこでこのような発想が生まれたかは定かではありませんが(3Dプリンターの発想は“1980年代に日本人が考えた”と、いわれてますが)、ここ数年の間に欧米などでは、多くのスタートアップメーカーが輩出されております、また、FoodTECの一翼を担う、植物肉・培養肉や昆虫食の世界でも3Dフードプリンターが活用されつつあり、今後の商品開発や研究には欠かせない技術であることは間違いありません。私共ミツイワ株式会社は機器メーカーである武蔵エンジニアリング株式会社と共同で、様々な業界や業種の企業様にあたり、あるいは原料メーカー様にも投げかけを行いながら、新しい食品製造やサービスの展開を考えております。今回、そのような企業様の中から、植物肉で事業展開をされている「ネクストミーツ株式会社」様での事例をご紹介致します
【植物肉における新しい商品開発】
現在、FoodTECHニュースの中心である「代替プロテイン」。その中でも「植物肉」のニュースは、国内外を問わず毎日発信されています。そのような中、新進気鋭の代替肉開発メーカーである「ネクストミーツ株式会社」様は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、日本のみならず海外でも植物肉業界を席巻されています。その「ネクストミーツ株式会社」様におかれましては、事業拡大の一環として「3Dフードプリンター」による新しい商品開発を手掛けて頂いております。研究そのものはまだ始まったばかりではありますが、海外の先行メーカーに負けない品質の製品を打出すべく研究開発をされています。また、「ネクストミーツ株式会社」様の先進的な技術により日本市場独自の植物肉商品も、打ち出すべく 弊社「3Dフードプリンター」をご活用頂いております。

事例を見る

子供にも愛されるソフトクリームロボット

コネクテッドロボティクス株式会社
  • ロボティクス
  • 小売・レストラン テクノロジー

私たちは、「人を楽しませ、喜ばせる」ことを最も大切と考えています。
「ソフトクリームロボット」は、人の動きに反応して動いたり話しかけたりしてお客さんを呼び込みます。注文に応じてコーンやカップを抱えてぐるりと向きを変え、「うまく巻けるかな?」などとおしゃべりをしながら綺麗に巻いていきます。お客様もソフトクリームが渡されるまでの間、コミカルでかわいらしいロボットの姿を動画に収めながら楽しそうに待っていらっしゃいます。
ソフトクリームは、初めての人がきれいに巻けるかというと意外に難しいものです。新しく入ったスタッフにはそれなりに作業トレーニングが必要になります。ソフトクリームを巻く作業をロボットに任せれば、そのトレーニングの必要がありません。
また、感染症防止の観点から飲食店店舗では極力接触を避けることが求められるようになっています。ソフトクリームは注文を受けてから現金のやり取り、コーンの受け渡しなど、直接お客様との接点が多いものでした。ロボットを導入することで接触回数を減らすことができます。

事例を見る

循環型食材“サーキュラーフード”としてのコオロギの普及

株式会社グリラス
  • 廃棄物の減少・再利用化
  • 新たな食品
  • 食品EC

■事業背景:タンパク質危機とフードロスの課題

2019年6月に国連より発表された報告書によると、今後30年で、世界人口は現在の77億人から97億人へと、20億人の増加が見込まれ、急激な人口増加に伴う飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が喫緊の課題と言われています。特に動物性タンパク質の不足は顕著で、1億トンを上回ると予測されています。

一方で、日本を含めた多くの国々では年間13億トンにも上るフードロスが発生しており、その量は全世界で生産されている食品の約3分の1に相当します。

深刻な食料不足が見込まれている一方でフードロスが発生している。これらの相反する社会課題に対して、コオロギの持つ可能性が期待されています。


■コオロギの持つ可能性:環境負荷の低いタンパク源、そして次世代の循環型食材“サーキュラーフード”

昆虫は他の家畜と比べて1kgのタンパク質を生成するのに必要な餌や水の量が圧倒的に少ないため、限りある資源の有効活用が可能です。加えて温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえます。

またコオロギは雑食の昆虫であるため餌の制限が少なく、世界中で発生しているフードロスを餌として飼育することが可能です。この特徴からコオロギは、捨てられるはずのフードロスを活用して新たなタンパク質を生み出すフードサイクルが実現できる循環型食材であり、今後持続可能な社会の構築に求められる“サーキュラーフード”になると考えています。


■株式会社グリラスについて:「コオロギ×テクノロジーが生み出す新たな調和で、健康でしあわせな未来を。」

グリラスは徳島大学における25年を越える研究を基礎とした、世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすべく、2019年に設立されたフードテックベンチャーです。2020年5月には株式会社ジェイテクトと業務提携を行い、徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、食用コオロギの量産に向けた自動生産システムの導入を進めています。

また日本国内で生産された、安心・安全で高品質な食用コオロギを販売することにより、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

これまでに良品計画と共同開発を行った「コオロギせんべい」や、レストランANTCICADAの「コオロギラーメン」、そして“サーキュラーフード”をコンセプトに開発した自社ブランド「C.TRIA」を展開しています。「C.TRIA」の第1弾となる商品としては、まだコオロギを食べたことがない方々にとっても、気軽に家族や友達、同僚とともに楽しめるよう、クッキーとチョコクランチを自社ECサイト「グリラスオンライン」 (https://gryllus-online.jp/pages/ctria) にて販売を開始しました。

グリラスはこれらの取り組みを一段と加速させ、“サーキュラーフード”としてのコオロギの普及を通じて持続可能な社会の実現を目指します。

事例を見る